報告
2025.05.02
【展示会】4/16~18「AM EXPO 東京」展示について
日本AM協会は、4月16日~18日に「AM EXPO 東京」(場所:東京ビックサイト 東4ホール)にて展示会及び特別講演を行いました。事務局の発表では、当日の会場来場者数及び出展者数は以下の通りでした。
【来場者数】4/16(水)11,596名、4/17(木)13,741名、4/18(金)16,124名 3日間合計 41,461名
※同時開催のINTERMOLD2025/金型展2025/金属プレス加工技術展2025/AM EXPO東京含む
当協会からは「日本AM協会ブース」18社、特別展示ブース6社・4団体、その他会員単独ブース3社が参加しました。当日の模様及び各ブースの詳細内容については、以下のビデオをご覧下さい。
当日のビデオ(展示会)
目次
- ①株式会社エイチ・エー・ティー
- ②応用技術株式会社
- ③オートデスク株式会社
- ④株式会社ODEC
- ⑤オリックス・レンテック株式会社
- ⑥Carbon Technologies Nippon株式会社
- ⑦協栄産業株式会社
- ⑧株式会社J・3D
- ⑨ジェービーエムエンジニアリング株式会社
- ⑩住友ゴム工業株式会社
- ⑪大同特殊鋼株式会社
- ⑫大陽日酸株式会社
- ⑬株式会社立花エレテック
- ⑭中央可鍛工業株式会社
- ⑮株式会社戸畑製作所
- ⑯株式会社FUJI
- ⑰富士高周波工業株式会社
- ⑱三菱電機株式会社
- (1)一般社団法人日本Additive Manufacturing学会[特別展示ブース]
- (2)三菱重工業株式会社[特別展示ブース]
- (3)川崎重工業株式会社[特別展示ブース]
- (4)独立行政法人造幣局[特別展示ブース]
- (5)株式会社SUBARU[特別展示ブース]
- (6)株式会社豊田自動織機[特別展示ブース]
- (7)慶応義塾大学 小池綾研究室[特別展示ブース]
- (8)デジタルハリウッド大学[特別展示ブース]
- (9)株式会社ストラタシス・ジャパン[特別展示ブース]
- (10)APPLE TREE株式会社[特別展示ブース]
- (11)株式会社データ・デザイン[単独ブース]
- (12)日本3Dプリンター株式会社[単独ブース]
- (13)ティーケーエンジニアリング株式会社[単独ブース]
会場全体









日本AM協会ブース
日本AM協会は、AM実用化に必要な、材料・設計(DfAM)・AM装置・後工程・品質保証に関係する企業で構成しています。今回、会員企業18社の展示を行い、AM実製品活用について様々なご提案を致しました。詳細内容は各社ブースご紹介ビデオをご覧下さい。
①株式会社エイチ・エー・ティー
航空機、戦闘機、ロケットエンジンなどの金属加工会社。ウォータージェット、5軸MC、旋盤、放電加工、細穴放電、ワイヤーカットなど各種受託加工サービスを手掛けている。ものづくり事業として、AM&リバースエンジニアリング、非破壊関連検査・評価、校正/試験など設計から評価まで一元管理。AM関連では、3Dスキャンサービス、Ⅹ線CT解析受託サービスや食品衛生法適合の光造形用レジン「エキマテ」の造形サンプル等を展示ご紹介。


②応用技術株式会社
AM活用に必要な4つの要素(知識習得、DfAMの実現、プロセスの理解、技術支援)をコンサルティング対応しております。AM活用を成功に導く4つのステップ「①パーツスクリーニング ②部品最適化 ③技術サポート ④製造・品質保証」をサポート。また金型の冷却効率を最大化する設計/シミュレーション/造形(製造)までの技術プロセスをトータル支援します。


③オートデスク株式会社
CAD/CAM/CAE/ECADの機能を統合した「Fusion」、積層造形の設計からシミュレーションまでをカバーする統合ソフトウェア「Netfabb」など、先進のテクノロジーでこれからのものづくりを変えるオートデスクのDfAMソリューションをご紹介。


④株式会社ODEC
和歌山県の金属AM受託造形サービス会社。機械加工による二次加工まで一貫対応、高品質で高精度な製品を提供いたします。ステンレス(SUS630)、アルミ合金(AlSi12)、マルエージング鋼、チタン合金(Ti-6Al-4V)、銅合金を取り扱っている。光ファイバー向け水冷スリーブ、マイクロファインバブル用フィン、チタン合金による軽量化された航空機用部品などの実用事例を展示。


⑤オリックス・レンテック株式会社
金属/樹脂3Dプリンタ出力サービス、導入支援サービス、レンタルサービスをご提供。今回、中国最大手BLT製各種サンプルを中心に、タイヤモールド、シューズモールド、銅造形サンプル等を展示。樹脂製では、金型を起こす前の形状確認サンプル等、展示ご紹介。


⑥Carbon Technologies Nippon株式会社
米国の3Dプリンターメーカー。AM装置、材料、造形ソフトを自社開発している。今回は、自転車用サドル、Adidas製スニーカー、Lotus製コンセプトカー用ヘッドレスト、LamborghiniやFord等で採用されている内装部品、トヨタ元町工場で採用の搬送用ロボットの指先部品など実用途事例をご紹介。


⑦協栄産業株式会社
3Dsystems正規代理店。3Dプリンタテクニカルセンターを保有し、装置販売、造形サービス、保守サービス等幅広くサポート。今回は、3Dsystems製100%ワックスを使用したジュエリー・歯科業界鋳造プリント造形の実用途事例をご紹介。また、高速造形、高い耐候性・耐熱性のある材料が使える光造形方式「Figure4」の実機及びサンプルを展示。


⑧株式会社J・3D
金属・樹脂3Dプリンターを用いた受託造形サービスと3Dプリントにおける技術コンサルティングを提供。アルミダイカストや樹脂成型の金型で冷却流路を配置することで、サイクルタイム改善や不良率低減などの用途事例サンプルをご紹介。材料はマルエージング鋼やSKD61相当の粉末が多い。その他、DMG森精機様2024年度第19回ドリームコンテスト金賞受賞作品「サグラダ・ファミリア」と2023年度金賞作品のドラゴンをモチーフにしたブレスレッドを展示紹介。


⑨ジェービーエムエンジニアリング株式会社
同社開発の金属積層用CAM「ADDITIVE MASTER LUNA」による各種積層サンプルを展示。村谷機械製作所製マルチレーザクラッディング装置「ALPION」による羽根や歯車の造形、欠損部分の補修、3種類の材料(基材SUS304にコルモノイとSKD11)で形成した異材造形など各種サンプルを展示。その他、MELTIO製DEDワイヤ方式のサンプルをご紹介。


⑩住友ゴム工業株式会社
タイヤ技術を生かした材料開発で光造形用3Dプリンタ用のゴムを開発。耐久性(繰り返し圧縮試験にて2000万回潰しても元にも戻る)、復元性(どれだけ潰しても長時間、高温でも元に戻る)に優れているのが最大の特長。ロボットハンド用ソフトグリッパー、硬さ違いの構造物、軟質ゴム材料、高剛性ゴム材料等の造形物を展示。


⑪大同特殊鋼株式会社
積層造形用金属ワイヤ及び金属粉末のご紹介。金属ワイヤでは、硬化肉盛、Ni基、チタン・チタン合金、ステンレス鋼など用途に応じた製品ラインナップをご紹介。三菱電機製ワイヤDED方式金属3Dプリンタにて造形した各種サンプル(Ni基:タービンブレード、チタン合金:シャチホコ)を展示しました。金属粉末では、金型用SKD61改良粉末やステンレス系の改良粉末(AMDAPシリーズ)、レーザー肉盛り用SKD改良粉末(HTC45)、マルエージング鋼からSKD61に置き換え(HTC、LTXシリーズ)などAMに特化した改良材料を造形サンプルを含めて展示ご紹介。


⑫大陽日酸株式会社
ガス技術と海外の最先端の金属AM技術による金属3Dプリンターのトータルソリューションをご提案。鋳造・鍛造の代替として注目されるワイヤーDED方式の金属3Dプリンター2機種を中心に、金属3Dプリンター・ソフトウェア・造形材料等を幅広くご紹介。ADDiTEC(DED方式)、GEFERTEC(arc方式)、Velo3D(PBF方式)、Rapidia(MPD方式)の各種サンプルやAM専用PSA式高純度窒素ガス発生装置、AM用金属粉末保管庫、Al、Zr(ジルコニウム)、Fe(鉄)を原料とするConstellium社製Siフリーパウダー『Aheadd CP1』などをご紹介。


⑬株式会社立花エレテック
DfAMの活用や後工程を含めたAMソリューションをご提案。金属では、三菱電機製電子ビーム方式純銅サンプル、ワイヤDED方式異種材造形サンプル、ニデックマシンツール製パウダDED方式+切削複合機で製作した航空機排気ダクト、AddUp製PDF方式冷却配管金型サンプル、造形後の後加工として不二製作所製ブラスト装置サンプル等の実用事例を展示。樹脂では、SLS方式の造形品に対する染色システム、Markforged製カーボンファイバーの短繊維が含有された強化ナイロン樹脂、Aspect製SLS方式スーパーエンプラPPS樹脂サンプル等を展示ご紹介。


⑭中央可鍛工業株式会社
鋳鉄・アルミを用いた自動車部品や産業機械用部品、オフィス家具を「粗加一貫」で製造・提供するものづくり企業。新規事業としてAM(PBF方式、DED方式、MJ方式)に取り組んでいる。今回、熱交換器(銅合金)、燃焼器(銅合金)、吸着プレート(アルミ合金)、冷却部品(純銅)サンプルを展示。DED方式では、異材質接合ニーズ(SUS316L×インコネル625)の開発を行っている。


⑮株式会社戸畑製作所
難燃性マグネシウム合金(AXE610)を使用した軽量部品の製造と開発を行っている。環境負荷軽減に向けた各種構造体の軽量化、振動、騒音の低減等、様々な分野において用途拡大が期待されており、少量多品種、複雑形状に対応したAM開発事例を展示。既に新幹線N700系の荷棚受けとして実用化している。


⑯株式会社FUJI
世界初のエレクトロニクス3Dプリンター(電子基板用AM装置)の装置(FPM-Trinity)を開発。「樹脂・回路形成⇒多層回路ビルド⇒部品実装⇒埋込造形」の工程にて、部品内蔵基板を一気通貫にて製造可。FPM-Trinityで試作リードタイムを大幅に短縮できます。今回、多機能センサー基板、心電計用基板、心拍の可視化センサー等の特殊試作品やロボット電源基板、NFCモジュール等の特殊形状品への活用事例をご紹介。現在、試作サービスを行っている。


⑰富士高周波工業株式会社
高周波焼入れ加工から最新のレーザ機器を駆使した、レーザ焼入れ、レーザクラッディング等の最新の表面加工技術を提供している富士高周波工業株式会社は、金属3Dプリンティング導入を検討する顧客の課題を解決し本格導入を実現するためのエンジニアリングプラットフォーム「3Dプリンティング研究所」を2025年4月に設立しました。設計から最終製品の評価までのプロセスを支援することで、金属3Dプリンティング技術の導入をスムーズに行い、お客様の事業成長を加速させることを目指します。今回、ワイヤDED方式「Meltio Engine Robot」による大型造形サンプルとパウダDED方式「ALPION」による微細肉盛りサンプルを展示ご紹介。


⑱三菱電機株式会社
金属ワイヤ・レーザDED方式「AZ600」造形サンプルを展示。高性能・高速な同時5軸制御が主な特長。今回は、船舶プロペラ(SUS630、アルミ青銅)、熱間鍛造金型におけるTIG溶接(手作業)からAM補修の事例(Stellite21、SKD61)、異種材造形サンプル(母材:SKD61、肉盛材:SKH51)、燃料タンク(64Ti)等を展示。


特別展示ブース
(1)一般社団法人日本Additive Manufacturing学会[特別展示ブース]
2025年4月1日設立の「日本Additive Manufacturing学会(日本AM学会)」は、日本のモノづくりの未来を切り拓く、未来型・全員参加型の学会として、「AM サイエンス」、「AM テクノロジー」、「AMビジネス」の3本柱に、「AMアート」を加え、多角的な取り組みを推進します。金属、高分子、セラミックス、ガラス、樹脂、細胞やそれらの複合材料など幅広いAM分野の理論を実践・実装して価値を創造する「場」の提供と仕組みの構築、AMの学術・技術による日本の製造業協会・拡大を目指します。


(2)三菱重工業株式会社[特別展示ブース]
ガスタービンのAM適用の考え方は、「新たな付加価値を創造」「コスト低減」「試作・開発期間の短縮」の3点。2025年現在のAM部品出荷累計:108,000個、生産:20,000個/年。今回、パネル展示とガスタービンのAM適用事例(タービン静翼、燃焼器スワラーブロック、燃焼器クラスターノズル、タービン分割環)を展示(写真未掲載)。

(3)川崎重工業株式会社[特別展示ブース]
「航空部品の二アネットシェイプ化による素材使用量削減」を主な目的として、高価なチタン合金をDED方式により、製造コスト(素材・加工費)低減を実現している。また、「マテリアルズ・インテグレーションによる合金創出と実証」については、PBF方式にて、計算材料科学と実験データベースに基づき最適なNi合金組成&プロセス条件を決定し、ガスタービンの水素燃焼バーナによる実証試験を完遂した。今回、航空部品(熱間スピニング+DED試作品)とガスタービン部品(水素燃焼バーナPBF試作品)を展示(写真未掲載)。

(4)独立行政法人造幣局[特別展示ブース]
造幣局では、貨幣(硬貨)、勲章や金属工芸品の製造、貨幣セットやプルーフ貨幣セットの販売、指輪などの貴金属製品の品位照明を行っている。AMに関する取り組みとして、勲章製造において3軸のCNCロボットとディスペンサーを用いた七宝釉薬の自動盛り、硬貨プレス用マスター金型の補修用途としてワイヤDED方式肉盛り修正事例などを展示。その他偽造防止技術として、ホログラム潜像をご紹介。


(5)株式会社SUBARU[特別展示ブース]
東京オートサロン出展のコンセプトカー事例として、お客様が創作したアクセサリーを搭載するアクセサリースポットを用意して、お客様自身やビューローが出力したアクセサリーを取り付ける意匠パーツの事例を展示ご紹介。


(6)株式会社豊田自動織機[特別展示ブース]
自社内のAMを活用した3次元冷却金型開発と生産性向上事例を紹介。従来品と3D冷却水管金型との比較展示。AMにより3次元的な冷却回路の設置が可能になり、金型の均熱化が実現。従来金型では、アルミが溶着するので磨き工程が必要であったが、AMを適用した金型全てで磨き時間が大幅に低減し、その内約80%で磨きがゼロとなった。また離型剤が大幅に削減でき、サイクルタイム、廃水量、エアー使用量が大幅に削減できた。


(7)慶応義塾大学 小池綾研究室[特別展示ブース]
2021年4月、小池研究室は世界で初めて、高重量場 (HG: High gravity) で粉末床溶融結合法 (PBF: Powder Bed Fusion) を行った結果を発表。造形プロセスへ能動的な力学的作用を加える手法としても、従来の3Dプリンタの研究ではありえない画期的な提案として、HG-PBFは高く評価されている。高重力場が3D造形に及ぼす効果として、スパッタの能動的抑制、7.5 µm 粒径粉末による高精度造形が実現出来ている。現在、宇宙空間でのAM活用を実験している。


(8)デジタルハリウッド大学[特別展示ブース]
3DCG、ゲーム、映像、アニメ、Web、VR/AR、広告・PR・起業など主にエンターテインメント産業に向けた複数の専門分野を横断する教育機関。AM活用事例として、エンターテインメント向けのグッズ制作、CADプログラミングによる高度なキーボード制作、パーソナライズされたゲーム内アイテムの制作、パラメータ可変によるネイル造形など展示ご紹介。


(9)株式会社ストラタシス・ジャパン[特別展示ブース]
フルカラーや布やパッケージに造形する等の既存のものに付加価値を高めるソリューションを提案。イタリアの自動車メーカー「マセラティ」バックシートに透明なロゴをプリントした事例含め、ガラス、化粧瓶、キャップ、布製品へのプリントサンプル、インサートサンプル等を展示。PolyJet™向け「GrabCAD Print Pro™」にて、造形時に装飾要素や機能要素を直接埋め込むことができ、さまざまな材料に対応しながら、後加工を必要としないため、材料の大幅な節約と設計精度の向上を実現します。


(10)APPLE TREE株式会社[特別展示ブース]
POLLYPOLYMER製HALS超高速光硬化3Dプリント技術でプリントされたハイテクシューズ「STARAY」を展示ご紹介。「STARAY」はオンラインストアと大阪北堀江店にて販売している。反発性、通気性、軽量が特長。その他、キーホルダー、ボール、バッグ、自転車用サドル等を展示。


金属AM公設試パビリオン(連携機関ネットワーク)
単独ブース
(11)株式会社データ・デザイン[単独ブース]
「3DプロセスとAIの融合でものづくりに革新」をタイトルとして、各種コンポーネントを展示。Artec製3Dスキャナー及び3Dプリンターでは、Formlabs製高精度光造形方式「Form4L」、カーボンファイバーが使えるMarkforged製FFF方式「FX10」の実用途事例をご紹介。CAMソリューションでは「物理ベースAI・CAMアシストツール:CAM Assist」、加工面評価/切断力解析ソフトウェア:Toolyzer」、その他SLS方式の樹脂造形品に対する染色システムをご紹介。


(12)日本3Dプリンター株式会社[単独ブース]
創業以来11年間、5000社以上の法人様・400以上の教育機関/研究機関に導入実績あり。リバースエンジニアリングから計測・検査まで、幅広いラインナップを備えるハイコストパフォーマンス・3Dスキャナー「SHINING3D 3Dスキャナー」を展示。FreeScan Trak Novaはオールインワン3Dスキャンシステムで複数のスキャンモードを搭載、手のひらサイズから超大型ワークまで高精度な測定が可能。3Dプリンターでは、Markforged製FX10、Raise3D製Pro3 HSシリーズPro3HSを展示ご紹介。


(13)ティーケーエンジニアリング株式会社[単独ブース]
AMを3つの分野で活用している。一つ目は、銅合金による高周波焼入れ用誘導加熱コイルの受託造形を実施しており、コイル寿命の安定・向上が可能となり、製作期間の短縮、設計自由度の向上が図れている。二つ目はクーラント内部給油の内部経路を設計した切削工具、三つ目は外径仕上げ工具や砥石を冷却するAMノズルにも取り組む。その他軽量化サンプル事例を展示ご紹介。

